7月中旬、小雨降る河川敷の草むらで、何となく異様な雰囲気のオオカマキリの幼虫をみつけた。
そのカマキリは、カメラを近づけると逃げようとはするが、健常な個体に比べて動きが鈍く不自然で、何より腹部が異常に大きく膨らんでいた。
食欲旺盛な幼虫にままある、過食した個体かとも思ったが、それにしては腹部の膨らみ方が左右非対称で右側の方が大きく張っており、指でその膨らんでいる部分に触れると固いしこりのような感触がした。
「これはひょっとして…」と思いつつ、さらに腹部を触っていると、異次元の扉が開いたように、腹部からいきなり大きなウジが顔(多分)を出し、地面にポトリと落ちて逃げ出した。
どうやらコイツは話には聞いていた「カマキリに寄生するハエ」であるらしい。
▲こんなでっかいウジが入っていた…。
▲ガリガリに痩せている。
▲ブリブリに太ってる。
宿主にされていたカマキリの幼虫の右腹部には、ウジが脱出する時に穴を開けられた筈なのだが、右後脚を少々引きずるぐらいで元気なのが意外というか不思議である。
とりあえず、このままこの幼虫を育てて、キチンと成虫になるか、できれば繁殖能力があるのかぐらいまで確認してみようと思う。
▲食欲は十分ある。さて復活なるか?(食べているのはミルワーム)
一方、ウジの方は、カマキリの体から脱出した後、地面に潜るような仕草をしていたので、湿らせたティッシュを土代わりに厚めに敷いた容器に入れると、なんと即日に潜り込んで蛹になった。
自分の遭遇した時が、ちょうどカマキリの体から脱出して蛹になる直前だったのか、それとも不本意ながら宿主の体から抜け出してしまったので、多少の無理をきかせて蛹になったのかは不明。
さて、どんな成虫が出てくるのだろうか、こちらも楽しみである。
【追記】
残念ながら、この幼虫は餌食いは上々なのだが、いつまで経っても加齢せず8月に入って死んでしまった。また、蛹の方も、保存の仕方が悪かったらしくカビて死なせてしまった。
う〜ん、今後も観察するチャンスがあればいいのだが…。